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最長片道切符の旅(2021年秋・冬)

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5日目:11月22日(月)②酒田→村上

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5日目:11月22日(月)②酒田→村上

②824D普通:酒田936➡村上1142(酒田発/村上ゆき)

羽越本線で秋田から南下して来ましたが、米坂線(坂町)を目指して更に南下します。
6M特急いなほ6号(904発)に乗っても米坂線の列車は変わらないので、824D普通に乗車することにします。


E653系1000番台7両編成(新潟車両センター所属/3番線)

さて、特急いなほ(新潟〜酒田・秋田)に用いられているE653系1000番台は、元々、常磐線の特急スーパーひたちフレッシュひたち(上野〜いわき)で運用されていましたが、2012年3月のダイヤ改正でいわき〜仙台に新設される特急に転用される予定でした。
しかし、2011年3月に発生した東日本大震災により転用計画は中止となり、特急いなほ(1000番台に改番)と信越本線の特急しらゆき(新井・上越妙高〜新潟/1100番台に改番)に転用されたのでした。

その際、特急いなほ用編成にはグリーン車が新設されましたが、これがとてもゆったりとした設計になっています。
通常、普通車をグリーン車に改造するとシートピッチが大きくなる一方で、窓割りが合わなくなりがちです。
しかし、特急いなほでは普通車8席分(4列)をグリーン車3席分(3列)に改造した上、衝立やラウンジまで設置されています。
これが通常のグリーン料金で乗車出来るのですから、非常にオススメです。
JR東日本の在来線グリーン車は4列が標準ですので、その点でも乗り得車両に違いありません。


普通車2.5席分の広さ(2015年8月30日撮影)

酒田からは、酒田港まで羽越本線の貨物支線(通称「酒田港線」)が分岐しています。
DD200形(DD200-3)が連結作業中でした。


酒田(1番線)

乗り換えに時間があるので、外へ出てみることに。
改札には若い女性の駅員さん、途中下車印をどこに押すか聞いてくださいました。
手慣れている感じです。

駅舎は2021年3月にリニューアルしたばかりです。
シックなデザインで良いですね。
ちなみに、酒田から南は新潟支社の管轄になります(本楯から北は秋田支社)。


酒田(駅舎)

NewDays KIOSKや、JR東日本新潟シティクリエイトの運営する和菓子屋「清川屋」が入居しています。


酒田(改札外)

酒田市は人口10万人弱の山形県第三の都市で、酒田港や庄内空港を有する庄内地方の主要都市です。


発車標(0・1番線に設置されているもの)

羽越本線は酒田〜酒田港を除き、全線が電化されています。
しかし、村上の秋田方(村上〜間島)に直流と交流のデッドセクションがある上、JR東日本新潟支社は普通列車用の交直流電車を保有していない為、列車番号(824D)の通り、気動車(GV-E400系電気式気動車)が運用されています。


GV-E402-2(3番線/新潟車両センター所属)


側面方向幕(GV-E400系)


運賃表示器(連結部での表示/GV-E400系)

GV-E401形とGV-E402形の2両固定編成。
2両合わせて12人ほどの乗客で、車掌は2人いました。
研修中なのか、全ての駅でドアが開きました。


GV-E402-2(車内)

北余目(定刻948発)は田んぼのど真ん中にあります。
駅周辺といい、待合室といい、北海道を思い起こさせます。
(物置きを愛用するJR北海道と比べると、立派な待合室ですが(笑))

なお、近くには、2005年のクリスマスに発生したJR羽越本線脱線事故の慰霊碑があります。
この事故は北余目の秋田方の第二最上川橋梁付近で起こり、死者5名という痛ましいものでした。
485系3000番台6両編成(特急いなほ14号)が突風によって横転した写真は衝撃的なものでした。


北余目(2番線)

余目(951〜952、定刻951着・発)では、陸羽西線(愛称「奥の細道 最上川ライン」)と接続します(2023年11月現在、運休中)。
当時は運休前でしたので、10時3分発の154D普通新庄ゆきに乗れば、新庄には10時54分に到着しました(乗り換え客あり)。
しかし、最長片道切符の経路(羽越本線・米坂線・奥羽本線)から外れるので、見送ります(計画では17時41分到着予定)。

ちなみに、余目駅にはJR羽越本線脱線事故を受けて、2007年から2016年にかけて、気象観測用のドップラーレーダー(雨粒の動きで風の動きを観測する)が設置されていました。


余目(駅名標)

陸羽西線の運休の原因となった道路がこちらです。
地域高規格道路の「新庄酒田道路」で、全区間が一般国道47号のバイパス事業として整備されています。
(概ね高速道路(自動車専用道路)ですが、行財政改革の一貫である2003年の地域高規格道路の構造要件変更に伴い、一部区間は一般道路です。)


一般国道47号新庄酒田道路「余目酒田道路」

陸羽西線は、新庄酒田道路の「高屋道路」区間における高屋トンネル新設工事が近接作業となるため、安全を考慮し、2022年5月14日より運休となっています。
2024年度には道路工事が終わり、運休が終了する予定でしたが、2023年6月にそれを見直す(延期する)と発表されています。
コロナ禍での経営悪化を鑑みると、そもそも運転再開するのか心配なところです。

白鳥(かつての特急を思い起こさせます)

西袋(定刻955発)で、貨物列車と行き違いました。
日本海縦貫線としての重要性が垣間見えます。


西袋(2番線)

本楯(山形県酒田市)から続いた複線区間も、藤島(定刻1001発)で一旦終わりです。

藤島(手前が1番線、奥が2番線)

鶴岡では、1M特急いなほ1号退避(1017発/新潟発秋田ゆき)のため、10分間停車します(定刻1007〜1017)。


鶴岡(1番線)

鶴岡市は、山形県第二の都市(庄内地方の中心都市)です。
E7日本海東北道とE48山形道の結節点(鶴岡JCT、鶴岡IC、鶴岡西IC)にもなっています。
駅前も立派です(人はいませんが…)。
ちなみに、学校給食発祥の地(1889年)だそうです。


鶴岡(駅前)

2014年には、駅舎のリニューアルが行われました。


鶴岡(駅舎)

改札外には、NewDaysや木村屋(菓子店)があり、ゆったり休憩もできます。


鶴岡(改札外)

車内に戻ります。
鶴岡では、10人ほどが乗って来ました。
ちなみに、1017発の824D普通を逃すと、次は1220発の8M特急いなほ8号(秋田発/新潟ゆき)、1328発の826D普通(酒田発/村上ゆき)となります。


鶴岡(電光掲示板/改札口)

羽前水沢はJR貨物の駅でもありますが(一般駅)、現在は定期貨物列車の発着はありません。
なお、2014年から羽前水沢オフレールステーションとなり、トラック便が発着していましたが、2017年に廃止されています。


羽前水沢(JR貨物)

羽前水沢(定刻1027発)では、対向列車(223D普通/鼠ヶ関発酒田ゆき/定刻1040発)と行き違いました。
対向列車もGV-E400系電気式気動車(新潟車両センター所属)です。
こちらと同じくらいの乗客数でした。


羽前水沢(手前が2番線/奥が3番線)

羽前水沢〜三瀬の間で、この旅初めての検札(車内改札)を受けました。


車窓にはまたも白鳥

小波渡(定刻1037発)で、日本海まで戻ってきました。


小波渡(1番線・駅舎)

五十川(いらがわ)は難読駅ですね(定刻1041発)。


五十川(手前が2番線/奥が1番線)


日本海(五十川〜あつみ温泉)

それほど大きく見えませんが、暮坪の立岩は高さ50mを超えます。


暮坪の立岩(五十川〜あつみ温泉)

あつみ温泉(定刻1047発)は、特急停車駅です。
5人ほどが乗車してきました。

「あつみ」は「温海」と書きます(1977年、温海駅から改称)。
それほど難しくありませんが、平成の大合併以降の市町村名に見られるように、平仮名を多用する例は増えているように見受けられます。
(福井県あわら市のあわら温泉は、2024年開業の新幹線駅でも芦原温泉駅を継承。)

ただし、高速道路事業(一般国道7号朝日温海道路※)では、漢字が使われてます。
※高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路(高規格幹線道路)
※事業促進のために国が一般国道のバイパス事業として建設(直轄事業)


あつみ温泉(手前が3番線、奥が手前から2番線・1番線/鶴岡市)

高速道路の整備が着々と進むなか、あつみ温泉〜小岩川には、高速化のために掘られた1395mの住吉山トンネルと1805mの宮名トンネルがあります(ともに複線断面)。
完成時には国鉄財政悪化と鉄道需要衰退が始まっており、土地・施設はJR東日本に継承されたものの、放置状態が続いています。
(複数の橋梁架設が必要で、時短効果と需要が少なく、投資費用に見合わないため。)

地方では、たとえ最高速度130km/hの複線の在来線であっても、表定速度は0.8掛けで100km/h程度であり、自家用車にコスパで勝つことはできないため、非常に難しいところです。
(最高速度95km/hの単線では、一般道路にすら負ける。)
勘違いされがちですが、在来線の敵は高速バスではありません(そもそも輸送量が全く異なる)。

閑話休題。

鼠ケ関(ねずがせき/定刻1057発)を越えると、新潟県に入ります。
鼠ヶ関(鶴岡市)は珍しい県境の地域で、新潟県村上市伊呉野と市街地が連続しています。
(駅名・時刻表は「ケ」、地名・漁港・郵便局・小学校・駐在所と何故か駅名標は「ヶ」。)


鼠ケ関(手前が3番線/奥が手前から2番線・1番線)

越後寒川(えちごかんがわ/定刻1112発)付近から、遠くに粟島が見え始めます。


越後寒川(手前が2番線/奥が3番線)

越後寒川(2番線仕様の駅名標)

越後寒川から桑川にかけて、「笹川流れ」と呼ばれる風光明媚な景色が見えます。
(国の名勝及び天然記念物に指定されている「笹川流」。)


村上市脇川1008付近(南へ少し行ったところ)

粟島(県道6km、村道16km、林道6km)には、観光目的の自家用車の持ち込みが許されていないため、散策には自転車が便利です(持ち込み可、貸し出し有り)。
ちなみに、全国で初めて漁協と農協が統合されたのが粟島です。
離島特有の事象として、粟島では、本保(ほんぼ)姓が多くなっています。


粟島(全域が新潟県岩船郡粟島浦村)

鶴岡〜村上は本当に風光明媚で、松と岩と海がマッチしています。


ホーヤ浜海水浴場

今川(定刻1117発)。
村上まであと25分です。


今川(2番線)

桑川(定刻1122発)は、道の駅笹川流れが隣接しています。


桑川(1番線)

ほとんど増えることなく、終点・村上(2番線)へ。
村上(1142着)では、3番線に3M特急いなほ3号酒田ゆき(定刻1143発)が停まっていました。

ちなみに、間島〜村上にはデッドセクションがあります(間島方が交流2万V、村上方が直流1500V)。
また、間島〜村上は複線で、上下線でルートが異なっています(1967年複線化)。


村上(2・3番線)

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プロフィール

HN:
RICOH
性別:
非公開
自己紹介:
狭義のゆとり世代
出生〜2011年:大阪府
2011年〜2018年:福井県(嶺北)
2018年〜2021年:北海道(十勝)
2021年〜現在:大阪府

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